ラノベ感想&紹介便

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【激推し新作ラノベ感想】俺の背徳メシをおねだりせずにいられない、お隣のトップアイドルさま

終盤読んでて視界が涙で滲みました。これは優秀賞も納得しかない、個人的傑作です!

 

 

【概要】

第19回MF文庫Jライトノベル新人賞で優秀賞を受賞し、11月25日に発売。

著者は及川輝新先生

イラスト担当は緋月ひぐれ先生

【あらすじ】

“おせっかい”な高校生・真守鈴文はお腹を空かせて倒れていたマンションの隣人を助ける。

その正体は人気絶頂の女子高生アイドル・有須優月だった!

理想のアイドルでいるため、過度な食事制限をしていた優月。

だが心配した鈴文が手料理をふるまうと、

「……はああああああああああああっっ!」

「もう、無理ぃっ……!」

と幸せいっぱいの顔で完食! その食べっぷりに恋をした鈴文は、優月の大好物で誘惑して《メシ堕ち》させることを決意する。

豚丼、ラーメン、お好み焼き! 

「ぜったい食べない!」と言いながら、優月は今日も鈴文のメシを欲しがってしまう──。

ちょっと特別なお隣さんのお腹とハートを掴む、メシ堕ちラブコメ

【キャラクターについて】

主人公の鈴文は、クラスで『オカン』扱いされるほど家事が得意でおせっかいな性格。彼が行うおせっかいの根底にはどこまでも相手への思いやりや気遣いがあることが分かる丁寧な描写がすごく良かったですね。また、この物語は主人公側が恋をしてから始まる昨今では珍しいタイプであり、『メシ堕ちさせる』という目的のもと自身の最大の武器である料理を使いぐいぐい攻める様も非常に楽しく読めました。そして彼が見せた持てる力全てを使った究極のおせっかいは滅茶苦茶心に刺さりました!

ヒロインの優月は完璧を目指すストイックアイドル。本当はカロリー高いもの大好きなのに倒れるほど過度な食事制限をしていた彼女が、鈴文の作る様々な誘惑料理には抗えず饒舌に情緒豊かに食レポしながら堪能する様が最高に面白可愛かったです!また、彼女もただ食べるばかりではなく「鈴文を自分のファンにする」という目的のもと水着姿になったりアーンを求めたりと誘惑する姿も見られ、鈴文の照れも含めてとても甘く尊い光景が見られました!

他にも優月の熱狂的なファンである女教師やテンション高めな幼馴染のお姉さんといった癖強めなキャラもおり、彼女達もこの物語に絶対居ないといけないという存在感と魅力を見せつけてくれました。

【展開について】

この物語は、過度な食事制限をする優月が心配でちゃんとした食事を与えたい鈴文の「メシ堕ちさせたい」という願いと、それは余計なお世話だから止めさせたい優月の「ファンにオトしたい」という願いぶつかりあう、ハートと胃袋を賭けた戦いの物語です。お互いに自分を武器を使って誘惑し合いながら交流を深め、互いのことを知って距離を縮めていく過程は最高の青春であり同時に読者を食欲の沼に叩き込む飯テロでもあり、新感覚の楽しさを味わえました!そしてアイドルヒロインものならではのエピソードもしっかり描かれつつ、けれどその結末はこの主人公とヒロインでこの物語だからこそ見られたものなのだとハッキリ言える特別なもので、拍手喝采を送りたいくらい本当に素晴らしかったです!

【推しポイント】

それでこそ完璧なアイドルでありご飯が大好きな普通の女の子の優月の支えになり側にいるのに相応しいと心から思える、鈴文の最高の台詞と行動!きっと誰もが心打たれます。

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