ラノベ感想&紹介便

本と人の、出会いの一助に

【激推し新作ラノベ感想】本物のカノジョにしたくなるまで、私で試していいよ。

音響効果マンや競馬騎手が主人公の熱くて明るい青春を書いてきた有丈先生の最新作!

恋愛リアリティショーを題材にした物語ということで読む前は怖さもあったのですが、蓋を開けてみればこちらもまたすごい熱を感じられて滅茶苦茶最高でした!推し作家認定待ったなし!

 

 

【概要】

GA文庫より2024年4月14日に発売

著者は有丈ほえる先生

イラスト担当は緋月ひぐれ先生

 

【あらすじ】

最低なことほど、最高に気持ちいい。

 

「最初に好きになった人が、最愛だなんて限らないでしょ?」

甘美で不健全な欲望が交錯する、最も危険な青春が幕を開ける――

 

恋愛リアリティ番組『僕らの季節』。

この番組では、全国の美男美女の高校生が集められ、甘く爽やかな青春を送る。

全ての10代が憧れるアオハルの楽園。――そう、表向きには。

その実情は、芸能界へ進出するために青春を切り売りする偽りの学園。

蒼志もまた、脚本通りで予定調和の青春を送っていく……はずだった。

「決めたの。――ボクセツで、本物の恋人を選んでもらおうって」

初恋を叶えに来たというカレン。

脚本上で恋人になるはずのエマ。

そして秘密の関係を続ける明日香。

カメラの前で淡い青春を送る傍ら、表には出せない不健全な関係が交錯し、欲望の底に堕ちていく。

今、最も危険な青春が幕を開ける。

 

【感想】

この作品も、カメラの前で気持ちを偽り嘘の恋をして、金と地位を手に入れるというある種のお仕事ものという感覚でした。それにしたって業が深すぎますけどねこの番組の舞台裏。

主人公である蒼志は番組内人気メンバートップ4の一人で、ラノベのキラキラした学園青春ラブコメに憧れながらも脚本の奴隷となって普通の恋ができなくなってしまっている姿があまりにも切なかった。3人のヒロインと各々に簡単にはほどけない複雑な関係を築いて種類の違う重く深い感情を向けながら過ごしていくのですが、そんななかでの彼の必死な葛藤と願望と行動から見える闇と光に釘付けになりました。表面だけ見ればとんだプレイボーイで自分で自分のことをクズだと言っていますが、僕は彼のことがとても好きだなと思いました。ちゃんと惚れられるに足る魅力が見られたので大満足!

そして、『愛してる』と捧げられる明日香、『幸せになってほしい』と願われるエマ、『穢されたくない』と守られるカレン。三者三様に蒼志に特別に想われ扱われているヒロイン達の、彼以上に頭のネジがとんでいてただの可愛い女の子じゃないところに凄く惹かれました。強烈で湿度の高い恋愛感情と、不健全に彩られた艶かしさのインパクトがとてつもない!これは一度見たら忘れられないですね。皆好きです。

終盤の展開の熱さも本当に素晴らしくて、良い読書体験ができたなと思えました!

【推しポイント】

単純な3股ではない蒼志の行動と想いと覚悟にグッと心掴まれる!

あと男の親友キャラが滅茶苦茶性格良くて二人の関係性が癒しでした!

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