ラノベ感想&紹介便

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【新作ラノベ感想】後宮の女官占い師は心を読んで謎を解く

普段はなかなか手に取らない中華系、後宮系の作品でしたが凄く読みやすくて面白かったです!デビュー作からさらに洗練された、夢見里先生の文章の美しさに魅せられました。

 

 

【概要】

ファミ通文庫より2023年2023年8月28日に発売。

著者は夢見里龍先生

イラスト担当はボダックス先生

 

【あらすじ】

《心理》で難事件を解いてみせましょう。《後宮》×《ミステリー》、開幕。

 

後宮の女官として働きながら占い師をしている易妙。ある日、妃妾たちに占いを披露していると、見目麗しい男から「俺の素性を当てられたら大月餅をやる」と持ちかけられ、第一皇子の命累紳であることを言い当てる。大好きな大月餅を受け取った妙が帰り支度をしていると、先日占った妃妾の縊死した報せが入る。すぐさま現場に駆けつけた妙は自害ではなく殺害されたことを見抜き、持ち前の《推理力》と《心理》で事件を解決に導くのだが、数日後、彼女の活躍の一部始終を見ていた累紳から「俺と組まないか。俺は、あんたが欲しい」と提案されることに。累紳が妙を欲しがる狙いとは……!?

 

【キャラクターについて】

主人公である易妙は、観察眼に優れ人の心理を丁寧に読み取る姿がとても格好良く、食べ物に貪欲で美味しいものを美味しそうに食べる姿はとても可愛いギャップ萌えの塊で、心から好きになれてとても愛らしかったです!そんな彼女が第一皇子の累紳と縁を結び、様々な事件と関わるなかで、禍(まが)も時にはあれど、様々な福も自らの力で得ていく姿がとても素敵でした!

第一皇子の累紳は、優秀で男らしく飄々とした格好良さを持ちながらもどこか影が感じられるキャラクターでこちらも凄く好みでした!そんな彼の心に抱えたものを的確に読み取りながら気遣って、そして時には踏み込んで救ってくれる易妙に対する累紳の想いが分かる口説きのような台詞には男の僕ですらクラっときそうなくらいの熱が感じられて最高!

また、累紳のことが大好きで病弱で素直で優しい第三皇子の星辰は癒し枠の素敵で可愛くて格好良い男の子でしたし、第二皇子である錦珠はかなりの曲者でしたが悲しい味のあ男で、そんな彼らの生き様にも胸打たれました。

 

【展開について】

羨望と嫉妬、好意のすれ違いと憎しみ、救済と自己肯定。人間のままならない心理が生んだ3つの事件はどれも読みごたえ抜群で、切なくも心に響き易妙の謎解き解説は楽しく読めました!

そして物語の中核となる時期皇帝位争いもこれまた目が離せない面白さに満ちていて、そのなかで描かれる様々な愛に魅せられました。

状況や境遇に流されるままではなく、自ら幸せになる、または誰かを幸せにできる道を掴みとり進むことの大切さを教えてくれる、とても素敵な物語でした!

 

【推しポイント】

累紳のイケメンぶりが正直滅茶苦茶刺さりました!

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