ラノベ感想&紹介便

本と人の、出会いの一助に

ロクでなし魔術講師と禁忌教典24巻の感想をネタバレありで語る

2023年11月17日、僕の青春と共にあったロクアカというひとつの物語が、ついに終わりました。今抱くこの作品への気持ちはただひたすらにありがとうと、そして一抹の寂しさ。そしてこの記事はその感情を外の世界へ解き放つためのものです。それでもよければぜひ最後まで読んでいってください!

 

 

【序章・第一章感想】

まず最初に、システィーナが見る(識る)グレンと会えないまま死んでしまう現時点で確定した未来、という描写を持ってきたの完全に読者の心にダメージ与えにきてましたね。ヒロイン達の最期まで語った上であなたに一目会いたいと言葉を溢す彼女の姿にとても悲しく苦しい気持ちになりました。

そして始まる『残された者達の後日談』。最後の最後まで重要なファクターでありつづけるジャティス本当に大好きですし、救世の英雄となったグレンを皆の力を合わせて救おうと作戦が始動する流れがもうこの時点で最高にロクアカしてて熱くなりました!

【第二章~第五章感想】

グレンと無垢なる闇との痛み分け(実質グレンの負け)の連続な果てしなく長い戦いの旅、そしてジャスティン(少年時代のジャティス)との邂逅と日だまりの日々と別離までを綴った物語。

濃密に醜悪な無垢なる闇と愚かで心の弱い人間達に向き合い世界を救うために戦い続けるグレンの姿はとても痛々しく、けれど傍にいて心の支えとなっていたのがまさかこれまでの物語で散々グレンを苦しめてきたジャティスだったなんて、誰にも予想できないであろう凄い心踊る演出でした。そしてしばらくご無沙汰だった、魔術を教える者としての顔はとても素敵で癒し!

23巻の断章で示唆はされていましたがまさか師匠と弟子というここまで深い関係だとは思わず、最終的には歪んでしまったけれどジャティスの正義の根幹がグレンの生き様だったという設定は本当に素晴らしいもので心打たれました。

それにしても羊太郎先生、これまでも性格的に終わってる敵キャラは色々と書かれていましたが、無垢なる闇の純度100%の悪性を台詞や行動で表現するのが上手すぎて、本当にあれは吐き気を催す邪悪で、ここまで徹底して書いてくれた先生めっちゃ好きです。

【断章感想】

正義を為すために歩み続ける者(ジャティス)と今は何も知らぬいずれ正義の魔法使いとなる者(グレン)の特務分室での邂逅。ここから全てが動き出したのかと思うと、そして二人の過去であり未来を知った今だからこそ、その瞬間に切なさと尊さを強く感じました。あーこの演出も好きすぎる!

【最終章感想】

グレンがジャティスの世界を救えず、子供の姿で元の世界の13年前に戻り、これまで果てしない回数こんなことを繰り返してきたことが明かされ、無垢なる闇は哄笑し、グレンは絶望する。僕自身もやるせなさと失意に沈むなか、白紙の見開きの先でシスティの声が響き、そこからの総力戦開始という流れが神すぎました!こんな表現やられて心が燃えないなんて嘘ですよ!ただ歩み続ければいいという、セラからグレンへ、グレンから皆へと繋がった言葉があったからこそ『グレン先生がいる世界』という皆が望んだ夢を、アカシックレコードの力で現実にすることができたという展開が本当にすごい!!!!!

そして最後の最後、本当に最後の総力戦!第1巻を彷彿とさせる愚者の世界とイクスティンクション・レイが決め技になるのも、世界と魔力と思いが一つとなる瞬間も、詠唱が《我等は》で始まるのも全てがエモい!グレンの呼び掛けからの皆の言葉を読み進めながら泣きましたよ。久しぶりに紙の本読みながら泣くという経験ができてとても幸せです!

【エピローグ感想】

羊太郎先生ならきっとやってくれると信じてましたが、やはりセリカがグレン達の元へ帰ってきてくれて本当に嬉しかったです!ありがとうございます!セリカが語るハッピーエンドへの拘りは完全に僕と解釈一致でした。キャラクター達が幸せになる姿を見たくて僕は物語を読んでいるんです。

そして始まる復興と平和な日常。最後は懐かしみたくない懐かしいグレンの遅刻から始まり、初めて本当の教師としてのスタートを切ったあの時の台詞で締められた物語に心から感動しました。1巻時点からブレない部分もあるけれど、凄く格好良くなったグレン先生の姿が感慨深くてとても素敵!

【最後に】

僕のロクアカとの出会いは高校1年生のとき、ちょうど5巻が発売されてた頃でした。1巻試し読みで見たグレンのショック・ボルト講義に心奪われ即購入して読んで魅了され、そこから約8年をロクアカに支えられながら人生を過ごしてきました。

これからもロクアカという作品は僕の人生になくてはならない存在で大好きで愛してる永遠の宝物です。

羊太郎先生、三嶋くろね先生、そしてこの作品に携わった全ての方々にありったけの感謝を捧げこの記事を締めたいと思います。本当にありがとうございました!