※この記事はネタバレを含みます。作品既読の方、またはネタバレ気にしないよという方だけお読みください。
『コンビニ強盗から助けた地味店員が、同じクラスのうぶで可愛いギャルだった』(略称:うぶかわ)の感想をこれから語っていきますが、ネタバレなしだと言えることが極端に少なくなるので、今回は思いっきり内容に触れる作品既読者やネタバレ気にしない人向けの感想となります。よろしくお願いします。
【概要】
ファンタジア文庫より2022年1月に第1巻が発売。最終巻である3巻は同年12月に発売。
作者はあボーン先生
イラスト担当はなかむら先生
【感想】
タイトルに偽りはないけれどタイトルから絶対想像できない重苦しい展開が次々襲ってくる、なんじゃこりゃと言いたくなるようなトンデモ作品でした。というか交通事故の被害者家族が主人公で加害者家族がヒロインって設定の物語を書くって発想が出てくる時点で凄いんですよね。
普通じゃない出会い方をしたからこそ二人の素敵な縁が生まれて。
だけど普通じゃない関係だからこそ平和な恋愛ができなくて。
普通じゃない星宮彩奈だから何度も何度も傷ついて。
けれど普通じゃない黒峰リクだからこそそんな彼女を救える。
主人公のリクは正直でいつでも真っ直ぐで、だからこその強さと弱さの両方を持っていて、そんな主人公がとても魅力的でした。幼馴染みの陽乃と、出会ってまもない彩奈、二人に心を救われたことで二人ともに好意を抱き、最終的に彩奈を選び結ばれるも最悪の真実を知ってしまい離ればなれになった1巻。
田舎に引っ越した彩奈を彼女の親友であるカナと共に追いかけ。記憶喪失となっていた彼女に寄り添いもう一度あの幸せな時間を取り戻そうと奮闘する姿に心打たれました。記憶は失くなっても想いは忘れていなかった彩奈と幸せな時を過ごすもカナの初恋とさらに明かされる残酷な事実の判明によりまたしても別たれた2巻。
心が限界を迎えた彩奈を支える決意をして同棲生活をやり直すリク。その献身的で決して諦めない姿に気づけば心から応援していました。ついに彩奈が記憶を取り戻し、共に支え合う道を見つけ、しかしそんな前へ歩みだした二人へさらに襲いかかるはリクの記憶喪失という大きな壁。そしてそれすらも乗り越えてついに本当の意味で幸せを手にした3巻。
何度も何度も何度も何度も、二人を結ばせてなるものかという世界の意思かのように襲いかかる苦難の連続に僕の心は強く締め付けられ深い切なさを感じました。そして周りの支えを得ながら決して諦めなかったリクと、消せない罪に囚われながらもいつでもリクを一番に想っていた彩奈がたどり着いたハッピーエンドは本当に素晴らしかったです!
幼馴染みで恋のライバルの陽乃、協力者で親友のカナ、そして時には二人を思い厳しいことを言うけれど優しく見守ってくれる大人達。リクと彩奈を大切に思い、支えてくれる人達もとても温かくて魅力的で、そこにある各々の確かな愛に感動しました。
この作品を読めて良かったと心から思います!最高のラブストーリーでした!
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