幼馴染ものとしても役者ものとしても文句なしに超満足できる、最高の1冊でした!これまでも役者・演劇系のラノベは色々読んできましたが、久しぶりに心からハマる作品に出会えて幸せです!
【概要】
HJ文庫より2023年9月1日に発売。
著者は雨宮むぎ先生
イラスト担当はKuro太先生
【あらすじ】
最高のキスシーンのお相手は、幼馴染の美少女で――
かつて幼馴染の少女・玲奈と交わした約束のため、どんな端役でも努力を惜しまない高校生俳優・海斗。
そんな彼のクラスに転校してきたのは大人気女優にして、絶世の美少女に成長した玲奈だった!
そして新作ドラマの主演に二人が抜擢されると、両片想いでじれじれな二人の仲は昔以上に急接近!?
最高のドラマを作るために休み時間の台本読み合わせやデート(ドラマの予行練習)を重ねていく海斗たち。
でも、クライマックスのキスシーンだけは一筋縄ではいかなくて――
【キャラクターについて】
約束を守るために努力を重ねるもなかなか大成できず、けれどわかる人にはわかる『台本を分析し共演者を引き立てる賢い演技』をする主人公、海斗。そんな彼の演技に対する心持ちや行動、要所での鋭い観察眼や気遣いがとても素敵でした!こんな顔も言動もイケメンな男でも主演抜擢まで世間でも業界でも評価されてなかったなんて芸能界ってやっはり厳しい世界なんだなと思わされましたね。日常では誠実さをこれでもかと発揮しつつも玲奈との急接近に戸惑いながらも嬉しさを感じてる姿が年相応で良かったです。
『感覚派で天才的な没入型の演技』をするヒロイン、玲奈の女優としての完璧な言動や神対応といった隙のない姿と限られた人にだけ見せる素の臆病で甘えたがりな姿。2つの顔どちらも彼女の大きな魅力で惚れ惚れしました!また海斗に対する照れとデレが見え隠れする反応はどれも最高に可愛らしくて心惹かれるほどでした!
マネージャーと監督という二人に密接に関わる大人キャラクターも滅茶苦茶魅力的で凄く良かったです!
【展開について】
幼馴染だからこそできるやりとりが沢山組み込まれていたり、演技に決して妥協しない努力と成長が丁寧に描写されていたり、そしてそれが実を結ぶ瞬間を視聴者の声やファンの反応という描写で形にしていたりなど、この作品で見たいものを期待以上に描いていてくれてとても面白いと心から思いました!
海斗と玲奈が互いを好きになる理由付けもしっかりしていて大満足!学校で二人きりの練習や役作りデートなどのシチュエーション描写も、二人の真剣だけど甘くて素敵な空気感が形成されていて読んでいて凄く楽しめました!ぜひとも二人が両想いになるまでを見届けたいです!
【推しポイント】
海斗と玲奈の『幼馴染』ならではの思い出語りや、気づきからの神対応!やっぱり幼馴染男女カプは良いなと思わせてくれます!