ラノベ感想&紹介便

本と人の、出会いの一助に

【新作ラノベ感想】居残りすずめの縁結び あやかしたちの想い遺し、すずめの少女とお片付け

あやかし×お悩み相談×田舎の素敵な青春物語、最高でした!こういう優しい空気感の物語も良きものですね。

 

【概要】

ファンタジア文庫より2023年3月17日に発売。

作者は福山陽士先生

イラスト担当はにゅむ先生

 

【あらすじ】

 夏休み。久し振りに母の実家を訪ねた高校生・空木悠護は、少女の幽霊と出会う。

「儂ずっと、ずっと悠護のことを待っとったんじゃぞ!」

そう言う彼女の正体は、悠護がかつて保護してチュンと名付けた雀であった。

人と動物、生者と死者の境を彷徨う魂はハザマと呼ばれる存在になるらしく、

悠護と再会し人の姿で遊びたいと願ったチュンは、

この世に留まり続けていたのだという。

悠護は、そんなチュンの願いを聞くことに。

 ところが、チュンは普通のハザマとどこか違って“特別”らしく、

助けを求めて様々なハザマが訪ねてくる日々で……!?

 一人と一羽が紡ぐ、ほっこり心温まるひと夏の青春奇譚!

 

【キャラクターについて】

主人公は獣医を目指す自然と動物が大好きな少年、悠護。どんな存在に対してもとても真摯で誠実で、ハザマたちややハザマと関わる人達に対する言葉からは思いやりの心や温かさが感じられました。こういう主人公本当に好き!

そして様々な愛を抱えながら現世を彷徨うハザマや、心晴れやかな人や未だ過去に囚われた人など。様々なキャラクターがいて其々の救いの光景がどれもとても感動しました!

 

【展開について】

一つの章につき一つのハザマと人との関係を語る構成。一つ一つがとても丁寧に素敵な空気感と共に描かれていて最高でした!

自然豊かな田舎という舞台だからこそできる色々な演出、甘酸っぱい青春模様、悠護の成長描写も素晴らしかったです!

サブタイトルの『想い遺し』と『お片付け』というワードセンスもとても良い!最後まで読むとこれほどこの作品に合うものはないなと思えます!

 

【推しポイント】

とても優しい愛に満ちた、温かな空気感。これは紛れもない唯一無二!

 

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