ラノベ感想&紹介便

本と人の、出会いの一助に

【新作ラノベ感想】 あのね、じつは、はじめてなんだ。 ゆるそうでうぶな彼女との初体験まで、あと87日

ピュアで温かな空気感とリアル?な性会話のドキドキのギャップがすごい1冊!読んで良かった!

 

 

【概要】

2023年3月17日発売。

作者は日日綴郎先生

イラスト担当はみすみ先生

 

【あらすじ】

学校一モテると言われながらも、実は童貞という秘密を抱える少年・隼。

彼に初めてできた恋人――それは長い片想いの相手にして、学校一“ゆるい”と噂の少女・日和だった。

しかし――実は彼女も秘密を抱えていた……『未経験』なのである。

「あ、ブラのホック、外れちゃった……留めてくれる……?」

お互いに見栄を張ったデート中も、抑えられないドキドキ。

「え? ……ら、ラブホ? 行くの? べ、別にいいけどさ」

強がりやハプニングが、ふたりの心の距離を近づけていく。

「その、最中に……私の名前を呼んでほしいなって。駄目?」

これは、ふたりが『初体験』を迎えるまでの87日間の物語。

 

【キャラクターについて】

主人公の隼は、どんどん広がる噂を否定できずにヤリチンと周囲に言われながら童貞であるという秘密を隠して日々を楽しく、けれど時々窮屈さも感じながら過ごす少年。そんな状況のなかでも、親交のある人たちに対し常に優しく誠実な言動がとても素敵で心から好きになれました!嘘をつき続けることへの葛藤や、初めてのカノジョに対して様々な形で心を揺さぶられる姿も丁寧に描写されていてとても良かったです。

そしてヒロインの日和も隼と同じく噂に振り回され否定できずにいた処女の女の子。初めてのカレシと過ごす日々に感じている喜びがダイレクトに伝わる、うぶで可愛い言動から溢れる甘さに魅せられした!これは隼が惚れるのも納得です。

隼と日和其々の親友や、バイト先の先輩、幼馴染など。他のキャラもとても魅力的で注目ポイントです!

 

【展開について】

互いに相手を経験豊富だと思っていて、自分が未経験だとバレたら幻滅されるのではという恐れを抱え、なんとか秘密を守ろうとしながら恋人生活を送るというなかなか珍しい設定。両方の視点が描かれていることで見事なすれ違い要素や二人の想いの重なりが繊細に丁寧に表現されていてとても面白かったです!

日和と隼のピュアな恋人生活描写と、友人達が繰り広げる生々しい男女交際や体験語りの描写のギャップも凄かった。この読書体験は唯一無二だなと思います。

無自覚に女の子の心を掴んで益々読者が彼のことを好きになれるところはさすがこの先生が描く主人公だなという感じでした!

 

【推しポイント】

見栄と勘違いと誠実の果ての終盤!とてもエモで素敵な恋をしている二人の幸せを心から願えます。

 

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