発売前からかなり話題になっていた異能力×学園ミステリ作品。僕もかなり期待はしていたのですが、しっかりそれに応えてくれる内容で素晴らしかったです!自信をもっておすすめできる1冊。
【概要】
GA文庫大賞《銀賞》受賞作品
2023年7月13日に発売
作者は零雫先生
イラスト担当は美和野らぐ先生
【あらすじ】
七月■日。謎の美少女・冷堂紅葉(れいどうもみじ)が転校してきた夏の日、
クラスメイトが殺された。密室殺人だった。
「私達で事件を解決しましょう、天内くん」
「まるでミステリ小説の名探偵みたいだな」
廃部寸前の文学研究会に所属する俺・天内晴麻(あまないはるま)は、なぜか転校生に事件の調査を依頼される。
そして冷堂も殺された――はずだった。誰にも解かれることのない究極の密室で。
「私を殺した犯人を見つけて下さいね――探偵さん」
不死探偵と“普通”の相棒。再現不可能な殺人事件に挑む学園ミステリー、堂々開幕!
事件の真相に迫る時、君と最後の××をする。
【キャラクターについて】
不老不死の異能力を持つヒロイン、冷堂紅葉。探偵であり相棒でもある彼女の妖しさと可愛さにに魅せられました。心を許した相手への甘えぶりや、積極性と小悪魔的と恥じらいという3つのベクトルの顔など、いろんな姿を持った女の子という印象でとても素敵です!
時間逆行の異能力を持つ主人公、天内晴麻。相棒であり探偵でもある彼の普通さと格好良さに心掴まれました。泣いている人、悲しい思いをした人、そしてこぼれ落ちそうな命を救うために必死に思考を巡らせ行動する姿はまさに最高のヒーロー!
他にも知り合いの警察官や部活の友人にクラスメイトに協力者と、ミステリもの学園ものあるあるな味のあるキャラが沢山登場して物語を彩っていました。
【展開について】
ボーイミーツガール、ラブコメ、ミステリ、アクション。どの要素の表現も非常に心踊るもので大満足。
一つの線に繋がる様々な形の密室事件が学校で発生し、探偵とその相棒が少しずつ情報を得て整理して、真実に近づいていく地に足ついた推理をしながら解決に挑む様子が、丁寧かつドラマチック、そして読みやすく描かれていて目が離せずぐいぐい読み進められました!ミステリ初心者も安心して楽しく読める物語だなと思います。
【推しポイント】
主人公とヒロインの異能力の奇跡的な噛み合いと、互いが自分の人生に必要な存在である意味付けの描写が僕好みで大変素晴らしかったです!