これまで百合ラノベには数作品くらいしか手を出してなかった僕ですが、滅茶苦茶素晴らしい読書体験ができました!大好きな最高の愛と共依存の表現が見られて感無量!
【概要】
2024年7月27日にダンガン文庫より電子専売で発売。
著者は雨宮和希先生
イラスト担当はTATSUKI先生
【あらすじ】
――魔女。それは、魔素という新種の物質に適応し、魔技と呼ばれる超常現状を引き起こすことが可能な新人類。そんな魔女が生まれて50年。世界は悪質な魔女による犯罪が横行し、さらには魔物という異形の怪物が発生し、人を襲う事件が多発していた。治安は悪化の一途を辿る中、善良な魔女たちによる自警組織『魔女教団』に所属する新人エージェントである雨後晴乃と光谷闇奈は、悪質な魔女や魔物を取り締まり、社会の平和を守る日々を過ごしていた。次々に起こる事件の対応に奔走する中、二人は変わりゆく世界の真実に迫っていく。これは、二人の魔女の選択がもたらす愛の物語。
【感想】
かなり絶望的な世界観で描かれる魔女百合共依存物語!普段は殆ど触れないジャンルなのですがこれは本当に面白かったです!
前半は正義の魔女として魔物や犯罪を犯す魔女と戦うエージェントでパートナーの晴乃と闇奈の、仄かに百合で素敵な友情を感じさせる戦いと共にある日常生活の中の気軽な会話劇を楽しんで。しかし中盤彼女たちに課された使命と世界の真実が明かされてから大きく物語の雰囲気が変質し、暗黒まっしぐらな地獄と次々明かされていく絶望的な真実にガツンと心を殴られ。そしてそんな現実に一度は心折れかけるも闇奈に対する一途で切実な感情を糧に立ち上がり、幸せを阻む全てに立ち向かう晴乃の姿に胸を熱くさせ。只一人のためのヒーローを目指した彼女と自分が消えることで世界を救済する覚悟を決めていた彼女が辿り着いた、共依存と愛に満ちて諦めずに歩み続ける未来を見て心の底からの感動と幸せに浸れました。
切なくて苦しくも、決然とした想いの力が読者の心に光を与えてくれる、そんな最高の物語でした!
【推しポイント】
晴乃の強く尊い意思による選択と行動、核の想いから溢れる強さと愛に心掴まれました!