ヒロインレースが突如現れた最強のメインヒロインによって強制終了して始まるという、斬新すぎる恋物語に引き込まれてとっても楽しめました!
【概要】
MF文庫Jより2024年10月25日に発売。
著者は七菜なな先生
イラスト担当はちひろ綺華先生
【あらすじ】
ラブコメの必勝法はいつもひとつ──『好き』って伝えるだけなのだ!
男子高校生・和泉に恋心を寄せる女子たちは、一歩が踏み出せず日々を過ごしていた。
【学園のアイドル様は、二人きりのときだけ甘えたがり】天崎雨音。
【実家から勘当されたのに、なぜか元・許嫁が放っておいてくれないんですが】白菊白亜。
【学園の天使ちゃん……の隣の悪魔ちゃんが、案外ちょろい】春日波留。
しかしそこに転校してきたのは、一見平凡だが天性のメインヒロイン・七瀬七緒!
七緒はあざとい直球アプローチで和泉に猛攻をしかけ出す。
「和泉くん、好きです。付き合ってください」「はい、あ~ん♪」「和泉くんが、わたしをこんな女にしたんだよ?」
「「「「こいつ……やりやがった!?」」」と慌てた雨音たちも行動に──!?
【感想】
いやーこれは最高のラブコメでした!表紙の後ろで小さく慌てている三人は、これが一対一恋愛ものであれば各々が文句無しにメインヒロインを張れたであろう可愛さと個性を持った娘達。しかしそんな彼女たちの恋の舞台にちゃんと好意を伝えてアプローチできる最強の女の子が躍り出たことで負けヒロイン確定となってしまったというのがなんとも切なくて面白かったですね。
各々がそれなりに濃い関係性を和泉と築けていたけれど、あくまでその好きは一方通行。敗因はひとえにちゃんと自分の素直な気持ちを言葉にしなかったことだというのがはっきりと示される、メインヒロイン七緒の積極的な行動と言葉から溢れる想いの強さは圧巻でした。和泉がどれだけ格好良い台詞で迫っても、すぐに七緒のカウンターをくらってからかいや真っ直ぐな好意表現に顔を真っ赤にさせられる。そんなやりとりがこの1冊のなかで沢山描かれて、まだ付き合っていないにも関わらず完全にカップルな感じが溢れてるのも良すぎで甘くて心満たされました!七緒がとにかくいつでも可愛すぎる!
和泉のバックボーン全てが明かされたわけではないですが、あのヒロイン達に好意を向けられるに足る主人公力はしっかり見せてもらえたので満足です。
やっぱり恋してがんばる乙女は最高に魅力的!
【推しポイント】
神様視点の実況解説的なハイテンション地の文が滅茶苦茶良き!