今やメジャージャンルとなった、第三者視点は善人な悪人(だと思ってるのは自分だけ)主人公の物語。まさかこのタイプの作品でここまで刺さるものに出会えるとは完全に想定外で、突き抜けた可愛さと面白さに大満足できました!

【概要】
PASH!文庫より2024年7月5日に発売。
著者は馬路まんじ先生
イラスト担当は由夜先生
【あらすじ】
領民どもォッ! 今日もコキ使ってあげるわァッ!
領地の哀れな孤児にパンをパシらせ(※金持ちアピールで釣銭はあげた)、
魔物との戦いで夫を亡くした未亡人を下女にしてコキつかい(※逆らえない
よう給料は嫌味なほどあげた)、反逆者を許さぬよう、職にあぶれた者を集
めて兵団を作っているという極悪ぶり(※領地の治安めちゃ上がった)!
そんな彼女がある日、火傷まみれの奴隷を買ってみると――?
(革命に敗れた第一王子とか聞いてないし、お呼びでないわよ~!! !!)
【感想】
信者が続出するほど領民皆に慕われ愛されてるのに、自分の行動全てを本気で極悪だと思って民の気持ちを完全に解釈違いしてる辺境領主のご令嬢(16歳)が面白可愛すぎ!確かに言ってることは悪っぽいけれど、やってることが至高の善すぎてギャップがとてつもない!確かにこれは一生ついていきたくなるよなという納得のカリスマ性でもって人の心を掴む姿に魅せられました!
そんな彼女が買っちゃった奴隷の王子様は滅茶苦茶天然で純朴で誠実で素敵!レイテ嬢に子どものように接されて母性を感じてる姿や、ここぞという時の圧倒的な強さ、そして色んなことをありのまま受け止めて素直な気持ちで反応するからこそ生まれる台詞。そんな数々の彼の魅力にも夢中になりました!
変態執事やマッドドクター、世間に見捨てられたつまはじきもの達が救われ集まり暮らすハンガリア領の幸せの形は、まさに人が夢見る理想でこんなところで暮らしてみたいと本気で思うくらいです。
主人公の自称極悪令嬢と革命成功の鍵となった本物の悪の男で、見事に善性と悪性の対比が描かれているところも最高!これはタイトル回収の救国達成まで見届けたいですね。超おすすめの1冊です!
【推しポイント】
レイテ嬢に宿るママみと幼女みという対照的な二つのかお。その魅力に浸り浴びればとても幸せな気持ちになれます!