まさかの落語という初めて目にするジャンルで、物珍しさ惹かれて読んでみたら期待以上のクオリティに感嘆しました!キャラクターと落語の世界で読者を魅了する名作!

【概要】
ファンタジア文庫より2025年3月19日に発売。
著者は春風亭吉好先生
イラスト担当は絵葉ましろ先生
【あらすじ】
天才的な落語の才能を持ちながらも“とあるトラウマ”を抱えて伸び悩む前座の高校生・浮乃家陽太。
落語の練習とストレス発散を兼ねて、師匠に内緒で『ギル亭魔王』という名前でVTuber活動をしていた陽太だったが――とある深夜、生配信をしていた彼の元にいきなり現れたのは……自身を《魔王》と称する謎の美少女!?
どうやら彼女は落語の前座修行をするために、こちらの世界にやってきたようで――?
「どうして魔王のワシが落語を修行するハメになるんじゃ!?」
ひとつ屋根の下、兄妹弟子として彼女と共に前座修行をすることになった陽太だったが――
「ちゃんと兄さんって呼べよ!」「嫌じゃ。ヨタはヨタじゃ」
常識知らずな妹弟子の世話に悪戦苦闘(たまにドキドキ)する日々の中、次第に天賦の能力を開花させていく魔王に刺激され、陽太の中に眠っていた落語家としての『異次元の資質』がついに目を醒ます!
現役の落語家が紡ぐ、超本格《落語》物語――ここに開演!!
【感想】
落語家の前座修行時代をメインの舞台として、そこに異世界の魔王とVTuber配信という要素を組み合わせて全く新しい異次元の物語が誕生していました!これは凄い!
落語はそこにないものを、見えないものをあるように感じさせる一種の魔法のようなものであるというこの作品独特な解釈のもと、魔王としての修行のためにヒロイン、ハチが落語を学び兄妹で絆を育み高め合っていく。そんな時に辛く、時に楽しい読み応えたっぷりのドラマに夢中になりました!
最初は常識知らずで生意気で自由奔放だったハチが天性の愛らしさを生かしたまま気遣いや礼節を覚えて落語家として立派に成長していく姿はとても素敵でしたし、トラウマを抱えていた陽太がハチの存在をきっかけとして彼女の言葉や師匠達の教えを糧に覚醒していく姿も最高に格好良くて大興奮できました!
また、修行シーンや陽太の積み重ねてきたものを丁寧に描いていたからこそ、あらゆる経験が落語に活きて本番の落語で面白さを生み出しているという説得力ある演出が見事でした!
これが小説初執筆とは思えないくらい読ませる力をひしひしと感じる先生の文章も素晴らしかったです!
ぜひとも長く続いて欲しい!
【推しポイント】
ミリしらでも楽しめる分かりやすくそれでいて奥深い落語描写と、そんな厳しくも楽しい落語の世界で生きているキャラクター達の台詞や感情、全てに引き込まれました!
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