周囲が盛り上がる状況を自らの手で演出するというメタコメディ要素と、熱くヒリつく楽しい頭脳ゲーム要素の掛け合わせが見事で、最高の読書体験を味わえました!

【概要】
オーバーラップ文庫より2025年1月25日に発売。
著者は片沼ほとり先生
イラスト担当は香川悠作先生
【あらすじ】
俺がアイツを『最強の主人公』に『演出』してみせる──!
ゲームによる決闘ですべてが決まる帝王学園。裏社会からやってきた最強の転校生・霧谷透。その銀髪ロシア人メイド・ソフィー、彼の幼馴染である学年最強のお嬢様・西園寺桃華。
――エリート育成のため人知れず運営されていた学園は、それはもう見事なほどに、学園頭脳バトルの舞台として整っていた。ならば、モブの化身たる俺・田中叶太のやるべきことは一つ。霧谷が最強主人公として学園を無双する、そんな俺TUEEE物語を陰から演出することだ。
それが演出家である俺の生き様……なのにお前ら、俺を目立たせるんじゃねえ!
実力隠し最強主人公×学園頭脳バトル×メタコメディ、ここに爆誕!
【感想】
幼い頃に、自分の存在を悟らせずに現実を演出して人を楽しませることの魅力に目覚めた少年が、頭脳戦の実力で全てが決まる学園でも演出家として頑張ろうとするも予想外の連続で、なかなか思う通りにいかない様子がコメディ感たっぷりに描かれていてまず楽しかったです。状況に合わせて自らが果たすべき配役を二転三転させて、時には演出家となるために身に付けた驚異的なゲームの実力で圧倒する姿にワクワクしました!
頭脳戦描写もかなりの作り込みと拘りが感じられ、あっと驚く、そうきたかと舌を巻く展開が沢山あり滅茶苦茶面白かったです!なかでもやはり叶太のゲームの勝ち方がとても格好良い!
女の子キャラ達の個性と可愛さと強さの表現も、バラエティ豊かで最高!皆の会話劇にはすっかり夢中になりました。
あらゆるゲームで観客も対戦相手も理解不能な勝ち方をする存在感抜群の美少年透と、運だけの男を自称する地味メガネ叶太。2人の転校生が存在するこの物語で、サブタイトルは誰を指しているのかの印象が読む前と後で変わる演出(その過程)がとても好き!
久々に学園頭脳バトルで推したいと思える傑作に出会えました!
【推しポイント】
演出に拘って色々頑張る叶太は序盤から見ていて面白いなという思いはあっても個人的に言葉に少し軽さを感じていたのですが、彼の根源が明らかになってからの覚醒と魂の籠った言動に心奪われました!しっかり読者が惚れる魅力的な主人公!